続いての調査はBCGの予防接種。
いわゆるハンコ注射ですね。
結核予防という認識ですが、あっているのでしょうか。
きちんと調べてみました。
BCGの基本をおさらい
結核は過去の遺物というイメージがあったので、今も感染者がいるのか調べてみました。
結核は、今でも年間10,000人以上の新しい患者が発生し、1,600人以上が命を落としている日本の主要な感染症です。
2022年に、新たに結核患者として登録された者の数(新登録結核患者数)は10,235人で、前年より1,284人(11.1%)減少しています。参考:厚生労働省
思ったより患者数が多いですね。
気になる分布はどうでしょう。
赤ちゃんの結核はたいへん少ない
参考:Know VPD!
2022年の新登録結核患者数は、0~9歳を除く各年齢階級で減少していますが、各年齢階級別で全体に占める割合は、80~89歳が全体の30.9%を占めて最も多くなっています。
参考:厚生労働省
1/3弱が80歳以上の高齢者ですね。
ただ、もはや結核は不治の病ではないので、治療は可能です。
BCGの予防接種とは
BCGの予防接種は推奨時期の0歳に接種すれば無料ですが、効果はどれだけ続くのでしょうか。
予防の効果は10~15年ほどつづきます。
参考:日本ビーシージー製造株式会社
0歳で予防接種をすると予防効果は15歳で消失。
0歳で接種する意味ってあるのでしょうか。
乳幼児期にBCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると報告されています(Colditz et al, 1995)。
参考:厚生労働省
・結核の発病を約1/4に抑えます。
・小児の症状が重くなりやすい結核(結核性髄膜炎や粟粒結核など)に対して特に効果があります。
参考:日本ビーシージー製造株式会社
追加しとくと先進国で「結核罹患」を予防するのではなくあくまで稀な合併症の粟粒結核などの予防がBCGには期待されてます。結核そのものの予防効果が期待できてないのでやめても結核は増えないでしょう
— 岩田健太郎 K Iwata (@georgebest1969) December 20, 2019
レア疾患に対しての効果を期待、といったところでしょうか。
せめて妊娠中に知ってたら、子供に打たせてなかったかもしれません。
副作用のないワクチンなんてありませんから。
BCGの予防接種のリスクは?
リンパ節の腫れや局所・全身の皮膚症状などの比較的軽度な局所反応は一定の頻度でみられますが、骨炎や全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなどの重大な副反応の報告は稀です。
平成25年度は約90万人が接種されていますが、厚生労働省に届けられた定期のBCGワクチン接種に関する副反応報告数は174件で、リンパ節の腫れが74件と最も多く、次いで皮膚症状が40件報告されています。比較的重い疾患としては骨炎が10件、全身性のBCG感染症が2件報告されています。参考:厚生労働省
骨炎とは?
大腿や上腕の骨に発生することが多く、局所の痛みや腫れ、歩行への影響などで気付かれることが多いです。
一般に、後遺症を残す確率などは高くありませんが、抗結核薬投与の他、外科的な施術が必要な場合もあります。
日本における報告は平成26年度において10件(平成26年度接種数:約90万回)であり、その発生率は国際的に想定される範囲を超えるものではありません。
参考:厚生労働省
利権と関係なさそうな意見は?
特に途上国では、結核はありふれた病気です。
時間のない時でも、生後1ヵ月を過ぎていれば、是非、接種しておきましょう。
日本のBCG株は、世界的にみても優秀です。
先進国では、一般にBCG接種をしていない国も多くあります。
参考:文部科学省
結核は、全世界では毎年100万を超える人が死亡しており、2022年には1,000万人を超える人が罹患しています。
そのため、文部科学省からは海外渡航において接種すべき予防接種となっているようです。
参考:在外教育施設派遣教員安全対策資料【健康安全・感染症対策編(改訂版)】第7章/文部科学省
BCG接種は4歳以下のお子さんたちの重症結核を抑えることが目的であったわけでして、4歳を超えて未接種の場合に積極的に打つ必要はないのではないかという意見があります。
成長につれて重症結核の頻度は減ってきますし、日本の小児の結核罹患率は極めて低くなりましたので、4歳を超えた人であれば、あえてBCG接種をする必要はないと考えております。
最後に
副作用は気にする程の数値ではないけど、打たないという選択をするのはちょっぴり勇気がいりそうです。
基本は打つことを勧めてますしね。
打たないことでレアな結核にかかると「打っとけばよかった」と後悔。(打っても免疫がついてたかはわかりませんが)
打ったことで副作用らしき症状が発生すると「もっとワクチンについて勉強しておけば良かった」と後悔。(副作用がワクチン由来かはさておき)
ただ、発症率やら予防効果やら調べた感じでは、BCGの予防接種は日本にいる限り打たなくても良さそうな感じです。
我が子の健康は親が担っていくものなので、都度、後悔のない選択ができるようお手伝いできれば幸いです。